避難小屋を後にして奥白根の取り付きまで来ました。上の方は相変わらず雲に隠れて何も見えません。ここから林の中を赤黄の標識を辿っていきます。やはり夏道も、全部ではないですが、うっすら判別できました。先行者のトレースを縫いながら進みます。
途中小動物の足跡を見つけたり。。
樹林帯を抜けて低木域へ。立派な氷柱を蓄えた巨岩。夏の間は決してお目にかかれない光景です。
さらに進むと低木もなくなり、吹きっさらしのザレ場になります。ただ、南斜面のせいか、風はさほど強くありませんでした。
雪は飛ばされて、夏道がかなりはっきり見えていました。
取り付きから約1時間、奥白根神社に到着。
ここから奥白根山頂へは、北向きにいったん鞍部へ下りてもう一度登り返すことになりますが、山頂のある北側のピークはガスで見えず、その手前の鞍部も白くかすんでいて、そこへ踏み込んでいくのを躊躇してしまいます。奥白根神社前の道標も地形図も、これから進む方向がそっちであることを示しているのに、「ほんとか?」としばらく様子見。よくよく目を凝らしてみると、鞍部に道標があるのが分かりました。一度夏山で晴れた日に来て、こういう局所的な地形が頭に入っていれば何でもない局面ですが、知らないっていうのは行動する上で制約になりますね。
ともあれ、めでたく奥白根山頂に到着です。午前11時51分。山頂には菅沼から登ってこられたというご夫妻がいらっしゃいました。オレンジ色のヤッケと赤いザックカバーが、ガスガスでモノトーンの世界にくっきりと浮かびあがっていて印象的でした。
山頂
うれしかった~。こんな氷雪の世界は(といっても、ほんの冬のはしりなんですが)ほんとに久しぶりで、内心ちょっとヘッピリ腰な部分が無かったわけではないんです。山頂をバックに、ご夫妻に撮ってもらった写真を見ると、我ながらとても嬉しそう。しかし10年来お蔵入りしてた装備を引っ張り出してきたもんだから、、ん~、なんとまあ、見るからにみすぼらしい。。
当時、シンプルなデザインが好きで、迷わずこれにしたMILLET一本締めデイパック(私はそう呼んでる)。一緒にあちこち行きました。
オレンジ色のご夫妻はもう菅沼に下るということだったので、これ幸いと弥陀ヶ池までご夫妻の後を付いて行くことに。この状況だと、山頂直下のルートファインディングは自力では難しそうです。ご夫妻がいなかったら、奥白根神社まで戻って五色沼経由で五色山へ抜けるルートにしていたかもしれません。
地形図でチェックしながら、ご夫妻の後を追います。
この道標から、山頂北面の下りが始まります。こちら側は、登ってきた南斜面よりも風が強かったですね。
急なガレ場が終わると、夏道がはっきり分かるようになったので、樹林帯に入る手前でご夫妻にお礼を言って分かれました。がっしりとしたご主人と、にこやかな奥様でした。
樹林帯を下っていくと、座禅山・弥陀ヶ池の分岐点が見えてきました。山頂を発ってから約40分。
分岐点から弥陀ヶ池はすぐそこ。
水面のある風景っていいですね。山の中だと尚更です。
午後1時。今回の行程の核心部分を終えてやれやれです。後は五色山を越えればひたすら下りです。
午後1時。今回の行程の核心部分を終えてやれやれです。後は五色山を越えればひたすら下りです。
ホッと一息。。つづく~